「能動的状態(active state)」を表わす「限定形容詞」用法の「現在分詞(~ing)」

    
Net-browsing folks are somewhat different from traditional reading public.
ネットを拾い読みする人々は、伝統的な読書習慣のある人々とはいささか異質の存在である。
 上例では「{net-browsing} folks:{ネットブラウジングをする}連中」と「{reading} public:{読書をする}大衆」の2つが「限定形容詞用法の(単独)現在分詞」になっていますが、先述した事例とは異なり、これら2つの”~ing(現在分詞)”には「進行形(~している最中の)」の響きはありません・・・ので、「関係代名詞節」を用いて書き換える場合でも、次のような「進行形表現」にしてしまえば間違いになります。
(×)net-browsing folks⇒folks {that are browsing the Internet}:インターネットを散策している最中の連中
(×)reading public⇒public {that are reading books}:本を読んでいる最中の大衆
 上例の2つの”~ing(現在分詞)”は、「進行形(~しているところだ)」ではなく、「~する性質を持っている」の意味を表わすので、「関係代名詞節」を用いて書き換える場合には、次のような「非進行形表現」になります。
(○)net-browsing folks⇒folks {that browse the Internet}:インターネットを散策する連中
(○)reading public⇒public {that have the habit of reading books}:本を読む習慣のある大衆
 「~ing(現在分詞)」に「進行形」の響きが含まれる(動作=movementの表現である)か、「非進行形」(状態=stateの表現である)かの区別は、(外形は全く一緒なので)ひたすら脈絡を読んで行なう必要があります。
限定形容詞用法の「~ing(現在分詞)」が(非進行形の)”状態・性質”を表わす表現の例
●a killing heat(殺人的猛暑)
(○)a heat {which may kill people}:{ヘタしたら人々を殺しそうな}暑さ
(×)a heat {which is killing people}:{人々を殺している}暑さ
●a moving story(感動的な話)
(○)a story {which moves people’s heart}:{人々の心を動かすような}お話
(×)a story {which is moving}:{動いている}お話
●a tempting offer(食指が動く申し出)
(○)an offer {which tempts me to accept it}:{さぁ受け入れなさい、と私に誘いかけるような}提案
(×)an offer {which is tempting me}:{私を誘惑している}提案
 これらの表現に於ける「~ing」は、「(動詞的性質を色濃く残した)現在分詞」というよりむしろ「(現在分詞由来の)形容詞そのもの」として把握しておくのが得策です。
 こうした「能動的”状態・性質”を表わす限定形容詞用法の現在分詞」は、実は、「~ingの形態をした分詞形容詞」の大部分を占めています。
限定形容詞用法の現在分詞に由来する分詞形容詞(~ing)の例
amusing(面白い) / bewildering(途方に暮れるような) / confusing(ややこしい) / damaging(有害な) / exciting(ワクワクする) / frightening(恐ろしい) / gratifying(ありがたい) / humiliating(屈辱的な) / irritating(苛立たしい) / joking(冗談っぽい) / knowing(いかにも知っているぞといった感じの) / lasting(永続的な) / maddening(気が狂いそうな) / nourishing(栄養価の高い) / offending(気分の悪くなるような) / puzzling(戸惑ってしまうような) / questioning(問い詰めるような) / redeeming(埋め合わせになるような) / satisfying(満足の行くような) / terrifying(恐ろしい) / understanding(理解のある) / vitalizing(元気付けるような) / wearing(ぐったり疲れるような)
 これら”能動的状態”を表わす「限定形容詞用法の現在分詞」でも、単独(~ingのみ)の場合は基本的に{~ing}+「名詞・代名詞」の前置形を取り、複数語群(~ing+α)の場合は必ず「名詞・代名詞」+{~ing+α}の後置形を取ります。
Students belonging to the basketball club are mostly tall.
(×){Belonging to the basketball club} students are mostly tall.
バスケットボール部所属の学生たちは大抵背が高い。
 「students {belong<ing> to the basketball club}」では、{バスケ部に所属<している>}の部分が直前の「students:学生達」を限定修飾していますが、このような「複数語群」は(長いので)「{長~い限定形容詞修飾語}+名詞・代名詞」の前置形は(前置きが長すぎて肝心の名詞・代名詞が霞んでしまうので)許されません・・・が、「名詞・代名詞+{長~い限定形容詞修飾語}」ならいくら長々続いてもへいちゃらです。
 上例の「belonging:所属している」は”~ing”ではあっても”進行形”の響きを持っていませんので、「関係代名詞節」で書き換える際にも”非進行形”にしなければなりません。
(♪)Students {who belong to the basketball club} are mostly tall.
(×)Students {who are belonging to the basketball club} are mostly tall.
まとめ: 「~ing(現在分詞)」が名詞を修飾する「限定形容詞用法」で用いられる場合、”単独形(~ing)”なら「~ing+名詞」の前置形を取り、”複合形(~ing+α)”なら「名詞+{~ing+α}」の後置形を取る・・・いずれも「能動(active)」の意味を表わすが、必ずしも”進行形”の含みを持つとは限らない。
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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    ●回答者が最初に発した疑問点が解決した場合にはシンプルに
    ♥Got it, guratche!♥・・・発音は「ガリット・グラッツィェ!」意味は「了解(英語)、感謝(イタリア語)」
    と返答して「御挨拶」はそれでおしまい、ということにしましょう。
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    ・・・というわけで、以下の二点の約束事を定めておきますので、皆さんどうぞ御納得の上で質問・回答ください:

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