Acknowledgements and Recommendations(謝辞・お勧め本)

acknowledgements and recommendations(謝辞・お勧め本)
  
    
  

 『ENGRAM ORGANIZER』は学術論文でも書籍ですらもありませんし、創作者の之人冗悟も学会や出版業界の人間ではありませんから、斯界の約束事に倣って「acknowledgements(謝辞)」の形で本講座を創り上げる上で参考にした文献を並べ立てる必要は(学習者の皆さんにとっての意味も)ありません。

 そもそも、英語に関する知識と考察を構築する上で本当に役立った「之人冗悟にとっての”恩人”」を挙げるつもりならば、「The Beatles(の213曲の歌詞のすべて)」や「Star Trek(スタートレック全テレビ&映画シリーズの全ての台詞)」といったPop Culture(いわゆる”芸術”とは異なる一般大衆向け娯楽文化)の数々をズラ~リと列挙するのが妥当であって、しかつめらしい語学の専門書の類いは(まぁ人並み程度には読み漁ってはいますが)自分の英語知性&感性にさほど強い影響も恩恵も与えてはいない、というのが(身も蓋もないものの)偽らざる自己認識なのです・・・それどころかヘタすれば「こういう困った本&教え方に触れると、英語デキナイ日本人になっちゃうんだよなぁ」という反面教師の方がやたら多い、というのが現実だったりしますから、なまじ「これまでに触れた英語関係の本・教育法とその感想」について書いたり喋ったりするのは(之人冗悟にとってというよりむしろ引き合いに出された相手方にとって)藪蛇めいた困ったことにもなりかねません。。。

  

 。。。とか言いつつも、この(三連講座)『ENGRAM ORGANIZER』という形で英文法の必須知識の全てを体系的・網羅的にまとめ上げる上で、大いに役立ったreference(参考になった本)やinspiration(ヒラメキあるいはエネルギーをもらった本)が存在するのも事実・・・これらの本から取り込んだ英語知識のほとんど全てを受講者の皆さんにも体系的に覚え込ませよう、というのが本講座の目論見なのですから、今となってはその”元ネタ”を皆さんに御紹介すること自体にさほどの意味はないとも言えそうですが、ここでは「皆さんは御存知ないかもしれませんが、日本の英語業界にもこんな優れた本があったりするんですよ」という雑学知識提供の意味も込めて、敢えてこれらの”恩人”について(営業妨害にならぬよう気配りしつつ)御紹介させてもらうことにしましょう。

  
  
  
■詳解英文法辞典■井上義昌 編(東京 開拓社)

 文法用語の参考文献としては、この本には大いにお世話になりました。「英文法情報のABC順百科事典」の趣なので、”網羅的”ではあるものの”体系的”ではなく、一般英語学習者にとっては”電話帳”も同然の一冊でしょうが、英語が完璧に使いこなせる水準の語学ヲタクの日本人が自らの知識の再確認をするための参考資料としてはまさしく”宝典”・・・初版は1966年、専門性が高すぎて販売部数が稼げないこの種の本は新たに世に出るのも難しく、今となっては入手困難な希少本なので、あまりここで礼賛しすぎると(門外漢の利得目当ての迷惑商行為で)価格が暴騰しそうだから、その意味では一言も触れずにおくのが得策なのかもしれませんが、「この一冊に御礼を言わずに”謝辞”もへったくれもあるまい?」ってぐらいこの本(とその編者の井上氏)には感謝の念でいっぱいの之人冗悟なのでした。

  
  
■英文法解説■江川 泰一郎 著(金子書房)

 「英文法」というものが「学校で教え込まれるめんどくさい理屈」ではなく「興味深い知的読み物」として成立し得る素材なのだ、ということを初めて実感させてくれたのがこの本・・・「世界史」というものがガッコのテスト対策に棒暗記すべき過去の遺物ではなく「最高に濃密な大河ドラマ」なのだということを教えてくれた「山川世界史用語集」と並んで、この之人冗悟にとっては”恩師”と言ってもよい本です・・・初版出版は1964年12月31日ながら、今なお新品で手に入るあたり「さすが名著!」と嬉しい気分になります・・・『ENGRAM ORGANIZER』で英文法を網羅的・体系的に吸収した受講生の皆さんがわざわざ敬意を表して購読すべきか否かはいささか微妙ですが、読んでもらえれば「ぁ、なるほど、いかにも之人冗悟好みの本だ」と納得してもらえることでしょう・・・この筆者にとって「日本の紙の文法書のベスト1」は間違いなくこれです!

  
  
■全解英語構文■山口俊治 著(語学春秋社)

 之人冗悟が英語塾講師になりたての頃にちょうど世に出た本(初版はたしか1986年)で、自作の教材作りの骨格として「英語構文(English Sentence Structure)」を意識し始めるきっかけにもなった良書。。。その後もタイトルや内容(&出版社)を少しずつ変えて発行され続けているようなので「紙本で英語構文を制覇する実感」を求める方(=この『ENGRAM ORGANIZER』を受講しない人)ならば(同じ作者の似た内容の別タイトル本については詳しく知りませんが、『全解英語構文』に関しては間違いなく)買って学んで損はない本なので、ネットで検索&入手するとよいでしょう。

  
  
■英文標準問題精講■原 仙作 著(中原道喜 補訂)(旺文社)

 これまた之人冗悟が英語教師になりたての1987年頃に入手(・・・初版刊行は、ヒトラーのナチス党がドイツの政権奪取した1933年)、「英文の構造を論理的に図式化して読む&読ませる」ことを強烈に意識させてくれた”恩人”です(・・・拙著『でんぐりんぐりっしゅ:英文解剖編』を御覧になれば、どういう感じで影響を受けているか、感じ取っていただけると思います)・・・昨今の日本では、大学受験で出る英文が「何の読み応えもない無味乾燥な経済畑の資料や雑誌の切り抜きや学術論文の類い」だらけになってしまい、それに合わせるようにして学校も予備校も「クダラナイ=何度も読み返して覚えたい気分になんて絶対にならない=英語の学習には最も不向きな」prosaic English(無味乾燥英文)だらけになってしまい、その必然の帰結として「日本人は、昔より遙かに多くの(駄文の)英文を読まされている・・・が、一読で意味取ってそれでおしまい・・・何度も読み返して暗記するという語学に必須のプロセスがスッポリ欠落している・・・ので、昔より圧倒的に多くの英語に触れながら昔の日本人より英語力は(&対訳試行過程で錬磨されるべき母国語たる日本語での表現能力も)ガタ落ちしている」という惨め&愚かを絵に描いたような状況・・・その呆れた日本の英語教育界の現状を痛切に実感したければ、『英文標準問題精講』の最初の10題程度を(1題につき3回~5回ぐらい)音読してみて、本を閉じてその英文が一字一句間違いなく暗唱できる能力が自分に備わっているか否か、確かめてみるといいでしょう・・・覚えるに値する文章・反芻するに値する内容の英文とのきっちりとした付き合い方を知っている(=語学がきちんとできる)学習者なら、あのレベルの英文は二読・三読して我が物にする習慣が当然備わっているはず・・・それが出来ない日本人は、残念ですが、いくら多くの英文を読んだとて(現状の”一読してハイさようなら”の不毛な多読習慣を引きずったままでは)英語が出来るようには絶対になりません・・・語学は繰り返し口ずさんで覚えて再利用してナンボ(=”英作文は英借文”)なので、繰り返しも覚えもせずただダダダーッと多くの英文を目にするだけでは、どうにもならんのです・・・今更自分が「ブザマに勤勉なだけで結局英語デキナイ運命の日本人だった」と思い知らされるのがコワイ、というヘタレの方々以外は、この『英文標準問題精講』、英借文の原典としても教養の元ネタとしても、必ずや入手して音読しまくって自らの英語&知的自我の中にレパートリーとして取り込むべき本ですね(・・・これは「お勧め」というより「忠告or警告」です・・・)

  
  
■試験にでる英熟語■森一郎 著(青春出版社)

 この本とその姉妹編(というか、兄貴分)の『試験にでる英単語』は「試験にでる***」という書名の流行を生んだ伝説の受験参考書。その初版が出たのはかれこれ半世紀も昔だけに、「今の時代にはもう古すぎて使い物にならない」の一言で斬り捨てられがちな両書ながら、「でる単」はともかく「でる熟」の有用性はどんなに時代が変わっても劣化することはありません。

 「英単語」の場合は時代ごとの”流行り廃れ”が極端で、”地球環境”や”経済”や”テクノロジー”系の頻出語がすっぽり欠落している大昔の英単語集では、今の世の受験生に「使い物にならない」と言われても仕方のない部分はあるのですが、「英熟語」の場合は「ある特定の時代・特定の階層だけが使っていた俗語(slang)が、時と所を超えた普遍的生命を持つに至ったものが熟語(idiom)」なので、「きちんと考えて作られた英熟語集」は数十年・数世紀の時の風化作用などモノともせずにずっと使い続けられるものなのです。

 「英単語集」の場合、”state-of-the-art:もはや芸術の域に達している”だの”cutting-edge:最先端の”だのといった”ホットなワード”ばかり追い求めて”excellent:秀逸な”や”advanced:先進的な”といった”時の風化作用を受けぬ普遍性の単語”をお留守にしているような代物を掴まされると、その種の基本的単語については既に暗記済みという特別優秀な受験生でもない限り「骨粗鬆症的ボソボソ語彙」に陥ってしまいます。その種の「基本的なやつは他の本で勝手に勉強しておけ!」的な無責任英単語集が世の中には(困っちゃうほど)多いので受験生としては難儀な話になるわけですが、「英熟語集」の場合でも、”make do with:~だけでやりくりする”だの”get away with it:まんまと逃げおおせる”だのといったいかにも”生きた英語っぽい表現”ばかり追いかけたがる本は、受験生にとって有り難迷惑な代物と言えます・・・そんな表現よりむしろ、”make a fool of:~をバカにする”で「材料の”of”」を、”get rid of:~を駆除する”で「分離の”of”」を、といった具合に「熟語集の形を借りた”前置詞”習熟講座」の体裁を取ってもらった方が英語学習者にとっては遙かに有益なのです・・・この点をまるで弁えていない単なる「ホットな英語表現集」がやたら多い中、『試験にでる英熟語』はきちんと「前置詞の様々な用法を学べる熟語集」として成立しているので、他の大方の類書と比べても”やりごたえ”が違います・・・ムダに”ホットな言い回し”を追いかけ回す皮相的なライバル達を尻目に確実に熟語力&前置詞力(=英語力の素地)向上を狙うなら、「でる熟」の例文を何度も繰り返し音読して覚え込んでしまうのが得策です(・・・あと数年待ってもらえれば、英単語・英熟語双方で画期的な新講座をこの之人冗悟が皆さんに提供する予定ですが、それまでの間は「前置詞&熟語の運用力強化」には「でる熟」が最善の選択肢です)。

  
  
  

 。。。とまぁ「”恩人”の面々への謝辞」半分、「わかってない連中への”野次・揶揄”」半分、といういかにもこの作者にありがちな展開になってしまいましたので、これ以上横道になだれ込んで「わかってない連中の逆恨み」を買う前に、このコーナーはおしまいにしておきましょう。

    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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