「S+客観的認識のV+O+to ~」が「S+V+that節」の第三文型で書き換えられる場合

    
 このSECTION(セクション=節)で扱う「SVO+to ~」の構文に関しては、文型は「SVOCの第五文型」とはっきりしていますが、「補語(C)になる」その不定詞が「名詞的用法」なのか「叙述形容詞的用法」なのかについては少々曖昧です・・・同じ「補語(C)」の位置に「~ing(現在分詞)・~ed(過去分詞)」が来る場合がある点から見れば、「分詞の叙述形容詞用法」と並んで「不定詞の叙述形容詞用法」とみなすのが妥当かもしれませんが、「名詞的用法」とみなすのが間違いとも言えません・・・まぁ、そんな名称上の区分は英語学習者にとってはどうでもよいことであって、大事なのは、この用法の不定詞が以下の6種類に分かれるということです。
●「S+客観的認識のV+O+to ~」が「S+V+that節」の第三文型で書き換えられる場合
●「S+積極的働きかけのV+O+to ~」が「S+V+O+that節」の第四文型で書き換えられる場合
●「S+積極的働きかけのV+O+to ~」で「that節を伴う書き換え」ができない場合
●「S+積極的働きかけのV+O+to ~」が「S+V+that節」の第三文型で書き換えられる場合
●「S+積極的働きかけのV+O+to ~」が「S+V+it+that節」の形式目的語つき第四文型で書き換えられる場合
●「SVOCからの受動態表現」でありながら「能動態のSVOC」では書き換えられない定型表現
 上記6つのタイプ別に、「SVOC(第五文型)」の「補語(C)」に「to ~(不定詞)」が用いられる場合について詳細に解説します。
I don’t believe him [to be] so bad.
私には、彼がそんなに悪い男だとは思えない。
 上例のSVOC(第五文型)は、次のような「SV+that節」(第三文型)で書き換え可能です。
(♪)⇒I don’t believe [that] he is so bad.
 この型の構文で用いられる動詞には
 「that節」の中で述べられる事態を「客観的に認識している」だけで、「事態の成立に主体的・積極的に関与していない」
という特性があります。
 「that節」の中で述べられる事態は「既定」の事柄として既に成立しているので、その内容を「非成立」にしてしまう次のような「SVO+not to ~」の構文にすることは、できません。
(×)I believe him not to be so bad.
 このタイプの「SVO+to be+C」では[to be]はしばしば省略されます(・・・これ以降の段で紹介するタイプでは”to be”の省略はできません)。
 ・・・が、このタイプの「SVO+[to be]+C」でも、省略すると語調が悪くなる場合には”to be”はそのまま残します。特に「C(補語)=名詞」の場合には(語調上の理由から)”to be”は省略しないのが普通です。
(♪)I don’t believe him to be such a bad man.
(△)I don’t believe him such a bad man.
 この「SVO+to be+C」の構文から、「O(目的語)」を主語とする受動態を構成する場合にも、[to be]はやはり(語調が悪くならないかぎりは)省略されるのが普通です。
⇒He is not believed [to be] so bad.
(♪)⇒He is not believed to be such a bad man.
 ただし、「S+know+O+to be+C」の構文に関してだけは(能動態でも受動態でも)”to be”の省略はしません。
They knew Japan to be safe and peaceful.
(×)They knew Japan safe and peaceful.
(♪)⇒Japan was known to be safe and peaceful.
⇒(×)Japan was known safe and peaceful.
日本は安全で平和な国として知られていた。
 次のように、「S+know+O+to be+C」から”to be”を省略しても、英文として通じる形にはなります・・・が、意味が全く変わってしまうのです。
They knew Japan safe and peaceful.
=They knew Japan [which was] safe and peaceful.
彼らは(今のように「不安で物騒な日本」ではなく)「安全で平和な日本」を知っていた。
 当然ながら、「補語(C)」の部分に来る動詞型が”be動詞”ではなく”do動詞”の「S+V+O+to ~」の場合には、[to be]を省略したように[to ~]を省略することは、できません。
I don’t believe him to do such a thing.
彼がそんなことをするなんて、私には信じられない。
(×)I don’t believe him such a thing.
類例
We consider anyone [to be] innocent until [he or she is] proved [to be] guilty.
(♪)⇒We consider [that] anyone is innocent until [they are] proved [to be] guilty.
(♪)⇒Anyone is considered [to be] innocent until [that person is] proved [to be] guilty.
誰であれ、有罪と立証されるまでは無罪とみなされる。
They declared America [to be] independent on the 4th of July, 1776.
(♪)⇒They declared [that] America was independent on July 4, 1776.
(♪)⇒America was declared [to be] independent on July 4, 1776.
1776年7月4日にアメリカは独立国であると宣言された。
I hadn’t suspected him to be a bad man until they reported him to be a confidence man.
(♪)⇒I didn’t suspect [that] he was a bad man until they reported [that] he was a con man.
(♪)⇒I didn’t suspect him to be a bad man until he was reported to be a con artist.
彼がペテン師だという報告を聞くまでは、私は彼が悪い男だなんて疑ってもみなかった。
その他の類例
●S+admit+O+[to be]+C=OはCだと認める
●S+fancy・imagine+O+[to be]+C=OはCだと想像する
●S+feel+O+[to be]+C=OはCだと感じる
●S+find+O+[to be]+C=OはCだとわかる
●S+guess・suppose+O+[to be]+C=OはCだと推測する
●S+take・think+O+[to be]+C=OはCだとみなす
●S+understand+O+[to be]+C=OはCだと理解する
etc,etc.
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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