「S+積極的働きかけのV+O+to ~」が「S+V+O+that節」の第四文型で書き換えられる場合

    
Mother always told me to be good.
母はいつも私に「いい子でいなさいね」と言った。
 上例のSVOC(第五文型)は、次のような「SVO+that節」(第四文型)で書き換え可能です。
(♪)⇒Mother always told me [that] I should be good.
 「that節」での書き換えは「SVO+that節」の第四文型になります・・・次のような「SV+that節」の第三文型での書き換えは、間違いです。
⇒(×)Mother always told [that] I should be good.
 ただ単に「that節」の内容を述べるだけでは不足・・・その内容を「O(目的語)となる人物(上例では、me:私)」に対して語りかける構造を取るので、「SV+人+that節」のSVOO(第四文型)になるのです。
 この型の構文で用いられる動詞には
 「that節」の中で述べられる事態を「客観的に認識する」のではなく、「事態の成立を主体的・積極的に促す」
という特性があります。
 「that節」での書き換えには、”should:~するべきだ”や”must:~ねばならない”といった”主観的判断の助動詞”を伴うのもこの型の構文の特徴です。
 このタイプの「SVO+to be+C」では、”to be”の省略はできません。
(×)Mother always told me good.
 「既定の事実」を「客観認識」するのではなく、「未定の事態」を「積極的に促す」という性格上、”to be ~”は「~である」(終止形)というよりも「~であれ」(命令形)に近い意味を持つため、相手への積極的メッセージを含むこの”to be”を省略したのでは意味が通じなくなるのです。
 「that節」の中で述べられる事態は「既定」の事柄として成立してはいないので、これを「SVO+不定詞」の構文で言い換える場合には、「SVO+to ~:~せよ」の肯定形のみならず「SVO+not to ~:~するな」の否定形を用いることも可能です。
⇒Mother always told me not to be bad.
母はいつも私に「悪い子しちゃだめよ」と言っていた。
 この「SVO+to be / not to be+C」の構文から、「O(目的語)」を主語とする受動態を構成する場合にも、”to be”の省略はできません。
(♪)⇒I was always told by Mother to be good.
(♪)⇒I was always told not to be bad by Mother.
 これらの構文から”to be”を省略した以下の表現では、「私はいつも”いいね!”・”悪くないね!”と母から言われた」というヘンテコな意味の英文に化けてしまいます。
⇒(×)I was always told good by Mother.
⇒(×)I was always told not bad by Mother.
類例
 このタイプに属する動詞の中でも、”S+teach+O+to ~:~することを教える”に関しては、「that節」を伴う書き換えが可能な場合と不可能な場合があります。
The coach taught me never to give up.
 上例の「never to give up」は教科書通りの語順ですが、叱咤激励の命令文としてよく使われる「NEVER GIVE UP!:決して諦めるな!」の語順をそのまま生かすために、次例のような「分離(分割)不定詞」語順にする方が”生きた英語”らしい表現と言えます。
(♪)The coach taught me to never give up.
(♪)⇒I was taught to never give up by the coach.
(♪)⇒The coach taught me that I must never give up.
そのコーチは私に「決して諦めてはいけない」と教えた。
 上例の場合は「that節」での書き換えが可能ですが、次例の場合は不可能です。
The coach taught me to throw a curveball.
(♪)⇒I was taught to throw a curveball by the coach.
そのコーチは私にカーブ(曲がる球)の投げ方を教えてくれた。
 上例は「~のやり方を教える」の”ハウツー文脈”なので、次のように書くこともできます。
(♪)The coach taught me how to throw a curveball.
 上例のように「[how] to ~」を「SVOC」の「C(補語)」として取る場合の”teach”は、「that節」で書き換えることはできません。
(×)I was taught by the coach that I should throw a curveball.
 上例のような「that節」だと、その意味は「私はカーブを投げるべきだ、とコーチは教えてくれた」になってしまい、「カーブの投げ方を私に手ほどきしてくれた」の意味からは外れてしまいます。
その他の類例
●S+persuade+O+to ~ / not to ~=Oが~する(しない)よう説得する
●S+warn+O+to ~ / not to ~=Oが~する(しない)よう警告する
etc,etc.
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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