“数的”な準否定語(ほとんど~ない)【few】と”量的”な準否定語(ほとんど~ない)【little】

    
 【not】や【never】が「(100%)~ない」という否定副詞であるのとは若干異なる「ほとんど~ない」とか「滅多に~ない」とかの「100%未満」の”準否定表現(semi-negative expression)”について、この節(SECTION)で全て紹介しておきます。
●【few】=ほとんど存在しない
●【a few】=ほんの少しだけ存在する
Few people make few mistakes.
ほとんど間違いを犯さない人なんてほとんどいない。
 【few】は”無冠詞”で用いると「ほとんどない」という否定的な意味になります・・・一方、不定冠詞付きの【a few】だと「2~3はある」という肯定的な方向へと意味がシフトします。
A few people make few mistakes.
ほとんど間違わない人も(多くはないが)いないではない。
 実際問題として、【few】と【a few】では音調上非常に紛らわしいため、単なる【few】・【a few】ではない次のような表現を用いる場合が多くなります。
●【very few】=ほとんど存在しない
(♪)Very few people make few mistakes.
ほとんど間違いを犯さない人なんてほとんどいない。
●【only a few】=(存在するにはするが)ほんのわずかしか存在しない
(♪)Only a few people make few mistakes.
ほとんど間違わない人なんて、ごく一握りしかいない。
 可算名詞の場合は【few】ですが、不可算名詞の場合には【little】を用います。
●【little】=ほとんど存在しない
●【a little】=ほんの少しだけ存在する
A little raise in workers’ pay has little effect on boosting economy, so the management and Government believe, it seems.
労働者の給料を少しばかり上げても経済活性化の効果はほとんどない、と、どうやら経営陣も政府もそう信じているらしい。
 最後の「it seems:どうやらそのように見える」は、本来なら文頭にあるべき「主節相当語句」を文末に”挿入”した形。文頭に「It seems that ~」の形で置くと形式張るが、このように文末に付け足す形になるとくだけた口語調になる。
 「~, so the management and Government believe」の「so」は、直前までの文章の流れを引き継いで「そのように」の意味を表わす副詞・・・「経営陣(the management)および我が国の政府([the] Government)としてはそのように(so)信じ込んでいる(believe)」という言い回しには、「自分としてはそうは思わない;が、労働者の賃上げに消極的なこの国の企業&政府のやり口を見ていると、連中の考えはそうらしい」という筆者・話者の無言の不賛同・非難の響きが込められている点を見逃さぬように。
 上例でも、無冠詞【little:ほとんどない】は不定冠詞付き【a little:少しだけある】との音調上の区別が困難な難点があるため、【very little:ほとんどあるかなきか】にする方が(聴き手に対する配慮としても)より良い英語と言えます。
●【very little】=ほとんどないに等しい
(♪)A little raise in workers’ pay has very little effect on boosting economy, so the management and Government believe, it seems.
 【little】には「副詞」として用いて「【little】ほとんど~ない / 【a little】若干~だ」の意味を表わす用法もあります。
 【few】には(「形容詞用法」があるだけで)「副詞用法」はありません。
I know a little about science but little about literature.
私は科学の知識は少々ありますが、文学の心得はほとんどありません。
 「形容詞用法」の場合と同様、「副詞用法」でも不定冠詞付きの【a little】なら「少しだけ~」の肯定的響き、無冠詞の【little】だと「ほとんど~ない」の否定的響きになります。
 無冠詞の【little ~:ほとんど~ない】は音調上の識別が困難なので【very little】にする場合が多い、というのは、「形容詞用法 / 副詞用法」に共通する現象です。
(♪)I know a little about science but very little about literature.
 肯定的な【a little:ほんの少しだけ】の場合も、そのままの形ではなく、各種の”frill(フリル:お飾り)”が付いた形で用いる場合が多いことを覚えておきましょう。
“Can you speak English?” ― “A little.”
「英語、話せますか?」 ― 「はい、ほんの少しだけ」
(♪)“Can you speak English?” ― “Only a little.”
(♪)“Can you speak English?” ― “Just a little.”
 上の表現は”謙遜(いゃぁ、それほどでも)”系ですが、次のやつは”さりげない自慢(ちょっぴりイケるよ)”の積極的な言い回しです(・・・この【a little】は直後の名詞”bit”に掛かる「形容詞」であって、「副詞」ではありませんが)。
(♪)“Can you speak English?” ― “Yes, a little bit.”
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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    ●回答者が最初に発した疑問点が解決した場合にはシンプルに
    ♥Got it, guratche!♥・・・発音は「ガリット・グラッツィェ!」意味は「了解(英語)、感謝(イタリア語)」
    と返答して「御挨拶」はそれでおしまい、ということにしましょう。
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