単一の主語と複数の動詞の間の共通構文:S(V1_V2)

    
 「動詞(V)」は「主語(S)」がなければ宙に浮いてしまう(浮かないとしたらそれは「命令文」である)から、「動詞」がたとえいくつあってもそれを総括する「主語」との連関を見落とす危険性はほとんどない・・・と言えるのですが、唯一注意すべきは、「動詞に見えない(名詞っぽい)動詞」を「別の主語」と錯覚する場合でしょう。
Dogs bark, growl and cry, but don’t laugh.
犬は吠えるし、唸るし、泣きもするが、笑いはしない。
(S)<Dogs> (V1)bark, (V2)growl and (V3)cry, but don’t (V4)laugh.
 上の英文は、「単一の主語(S:dogs)」が「4つの動詞(bark / growl / cry / do not laugh)」を従える構造です。
 上例のように「文章の一連の流れの中で”動詞らしく”振る舞ってくれる動詞」の場合は誤解の生じる余地もないのですが、次の英文のように「流れが入り組んでいる」上に「”動詞”がそれらしく見えない」構造の場合は、要注意です。
These countries made notable contribution to the development of modern civilization, host many important conventions and house a variety of people and activities that count in their respective fields.
これらの国々は、現代文明の発展に特筆すべき貢献をし、数多くの重要な会議の開催地となり、各分野に於いて重要な意味を持つ多種多様な人々や活動の舞台となっている
(S)<These countries> (V1)made (O1)<{notable} contribution (to the development of modern civilization)>, (V2)host (O2)<{many} {important} conventions> and (V3)house (O3)<a variety of people and activities {(S)that (V)count (in their respective fields)}>.
 「(S)<These countries> (V1)made (O1)<{notable} contribution (to the development of modern civilization)>」の部分の「S(主語)―V(動詞)」の関係は一目瞭然ですが、後続部の動詞「(V2)host / (V3)house」はいずれも「主催者 / 家」という”名詞”に見えてしまい、”動詞”として「These countries」に総括されて「開催地となる / 活動の舞台となる」の意味の”動詞(V)”となるものとは夢にも思わぬまま、文中に登場した「新たな主語(S)」としてこれを解釈しようとする気持ちが働くかもしれません。
 ・・・が、そうなるとこれら「(S2)host(ホスト)」や「(S3)house(ハウス)」の後に続くべき「動詞(V2 / V3)」がどこにも見当たらない、という壁にブチ当たって解釈は頓挫する、という仕掛けです。
 ・・・ということで、教訓:
「主語(と想定される名詞)」の直後に当然あるべき「動詞(V)」が見当たらないなら、「もしかしてこれ、”主語”ではなくて、”名詞と同型の動詞”なのでは?」と疑ってみるべし
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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    と返答して「御挨拶」はそれでおしまい、ということにしましょう。
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