かなり大雑把ながら本源的な言い方をすれば
同格表現は無冠詞が基本
ということになります ― その理由は単純:
同格的修飾語として用いられる「名詞」は、「名詞というより形容詞」であり、「冠詞(a / an / the)」は「名詞」に付くものなので、「形容詞化した名詞」である同格的修飾語は無冠詞となる
という理屈です。
♪The mouse was invented by Doctor Engelbart.
マウスはエンゲルバート博士によって発明された。
ここでの「mouse」は動物の「ネズミ」ではなく「コンピュータのポインティングデバイス」としてのそれ。
ちなみに、マウスの開発者の「Douglas Engelbart(1925-2013)」は生前、「シッポみたいなコードが付いてたから何となくそういう呼び名になってしまったが、あんなに普及するとわかっていたらもっとマシな名を付けておくんだったかな」と冗談交じりに語っていた。
コードのない無線マウスやマウスもカーソルも何もないタブレットPCやスマホの時代より遙か昔の1970年に特許取得されたマウス、その相棒と言える「マウスポインタ」の当初の呼び名は「bug(バグ)」だったという(・・・が、こちらの呼び名は定着せず、やがて「コンピュータプログラムのソースコードに含まれるエラー」という不名誉な意味で用いられるようになった)。
ちなみに、マウスの開発者の「Douglas Engelbart(1925-2013)」は生前、「シッポみたいなコードが付いてたから何となくそういう呼び名になってしまったが、あんなに普及するとわかっていたらもっとマシな名を付けておくんだったかな」と冗談交じりに語っていた。
コードのない無線マウスやマウスもカーソルも何もないタブレットPCやスマホの時代より遙か昔の1970年に特許取得されたマウス、その相棒と言える「マウスポインタ」の当初の呼び名は「bug(バグ)」だったという(・・・が、こちらの呼び名は定着せず、やがて「コンピュータプログラムのソースコードに含まれるエラー」という不名誉な意味で用いられるようになった)。
上の英文の中に出て来る同格表現の「Doctor Engelbart:エンゲルバート博士」には、不定冠詞(a)も定冠詞(the)も付いていません ― 「{Doctor} Engelbart」に於いては、名詞である{Doctor:博士}は後続の名詞「Engelbart:エンゲルバート」の{形容詞的修飾語}として機能しており、「形容詞に冠詞は付かない」の原理に従って「同格的修飾語は無冠詞」となるわけです。
・・・が、もし上の英文と同じ意味を次のような英文で表わしたとしたら、そこには必ず不定冠詞”a”が付くことに注意しましょう:
♪cf: The mouse was invented by a doctor called Engelbart.
マウスは、エンゲルバートという名の博士によって発明された。
上の参照用英文に於ける”doctor:博士”は、後続の「Engelbart:エンゲルバート」の同格的修飾語(=形容詞)ではない純然たる「名詞」です ― 名詞は(特別な用法を除き)必ず冠詞付き(または無冠詞複数)で用いるのが英文法の基本です ― 従って、次のような無冠詞での使用は間違いになります:
(×)The mouse was invented by doctor called Engelbart.
よく似た形ですが、次の英文に於ける「a Doctor Engelbart」の部分の不定冠詞”a”の用法は、全く異なります:
♪In 1967, a Doctor Engelbart applied for a patent for what later became known as a mouse.
1967年、エンゲルバート博士とかいう一人の人物が、後に”マウス”の名で知られることになるものの特許を申請した。
1967年に特許申請(1970年に取得)された時点では、「マウス」も「エンゲルバート博士」も、それどころか「パーソナルコンピュータ」という概念そのものも、世間ではほとんど知られていなかったので、ここでの「a Doctor Engelbart:エンゲルバート博士とかいう人物」はその”どこの誰とも知れぬ人物”の感じを殊更強調する意味で「不定冠詞の”a”」が付いているわけです。
ちなみに、エンゲルバート博士が1970年に取得した「マウス」の特許は1987年に失効、当時は既にパーソナルコンピュータは発明・販売されていたものの、「パソコン+マウス」の組み合わせはまだ一般的でなく、その後に開発された「マウス」にはエンゲルバート博士の特許にあったもの以外の新機軸も織り込まれていたこともあって、「マウスの生みの親」のエンゲルバート博士は、マウスに関するロイヤルティ(特許使用料)を1ドルたりとも受け取ってはいないという。。。”先駆者あるある”物語の一幕でございました。
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