“as”が導く付加コメント的挿入

    
 「挿入(parenthesis)」に用いられる”記号”には「(  ) / ― / ,」等がありますが、”単語”としては【as】が代表格です。
I wondered why so much fuss was made on such, 【as】 I felt then, trivial things.
そんなどうでもいい(と、当時の私には感じられた)物事がどうしてそうまで大騒ぎされるのか、私には不思議だった。
 上の英文では「as I felt then:その当時の私が感じたところでは」の挿入部に要注意です。
 【as】は実に多芸な接続詞で、その語義は
【1】(理由)~なので【2】(時・付帯状況)~する際に・~しながら【3】(比況)~するにつれて【4】(類似)~なのと同様に【5】(様態)~のやり方で【6】(資格)~なものとしての【7】(譲歩)~ではあるが
と多岐に渡りますが、「付加コメント的”挿入”の【as】」の語義は「【6】(資格)~なものとしての」の一種で、「これは”客観的に見て”ではなく、”当時の私の感覚として”」という”断わり書き”を入れた上で、後続の【trivial things:どうでもいいようなこと】にかかる構造になっています。
 「”挿入(≒資格)”の【as】」に不慣れな日本人英語学習者は、「【1】(理由)~なので」や「【5】(様態)~のやり方で」等の用法と誤解して次のような誤訳をデッチ上げるかもしれません:
“理由”の【as】の誤訳)(×)そんなどうでもいい物事が(と当時の私は感じたので)どうしてそうまで大騒ぎされるのか、私には不思議だった。
“様態”の【as】の誤訳)(×)そんな(私の感覚に従って言えば)どうでもいい物事がどうしてそうまで大騒ぎされるのか、私には不思議だった。
「”挿入”の【as】」は、(  )や「―」や「, …,」と同様、「単なる記号」の感覚で捉え、なまじ日本語に訳出しようとは思わぬほうが得策
と覚えておきましょう。
 ここで紹介した「”挿入”の【as】」は、品詞としては「接続詞」ですが、この「PARENTHESIS(挿入)」のレッスンでは後々また「挿入的に用いられる”疑似関係代名詞”としての【as】」が登場します。
 ”接続詞”にせよ”疑似関係代名詞”にせよ、いずれにせよ「【as】は”挿入”御用達記号」として把握しておくこと(&なまじ和訳しようとは思わぬこと)です。
●口語では【so】での書き換えも可
 上で紹介した「接続詞【as】を用いた付加コメント的挿入」は、口語英語では「副詞【so:そのように】」を用いて書き換えることができます:
(♪)⇒I wondered why so much fuss was made on such, 【so】 I felt then, trivial things.
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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