(素人無用)音節切り分けの専門的ルール(syllabication=分綴法)

    
 音節(syllable)を切り分けることを、英文法の世界では「syllabication:分綴(ぶんてつ)」と呼びます。
 音節の分け方にはルールも例外も非常に多く、英語学習者が覚える必要は全くない(必要に応じて辞書で確認すればよいだけの)純然たる学術情報でしかありませんが、気になる人のためにそのルール細目を以下に示しておきます。
 音節を分綴する際には常に(子音ではなく)「母音」に着目して切り分けます。
create(創造する)【kriéit】⇒cre・ate / oasis(オアシス)【ouéisis】⇒o・a・sis
 ▲ルール1例外)2つ以上続く母音字が「1音」を構成する場合は分離しない。
beautiful(美しい)【bjúːtəfl】⇒beau・ti・ful / creature(生き物)【kriː́tʃə(r)】⇒crea・ture / devour(むさぼり食う)【diváuə(r)】⇒de・vour / feather(羽毛)【féðə(r)】⇒feath・er / rain(雨)【réin】⇒rain / samurai(侍)【sǽmurai】⇒sam・u・rai / school(学校)【skúːl】⇒school
order(注文)【ɔ́ː(r)də(r)】⇒or・der / parent(親)【péɚrɚnt】⇒par・ent
baby(赤ちゃん)【béibi】⇒ba・by / music(音楽)【mjúːzik】⇒mu・sic
 ▲ルール3例外)アクセント(強勢)のある長母音の後続の子音を、その更に後の一連の音節に組み入れることができない場合、「子音のみ」では音節を構成できないため、直前の長母音と結合して「長母音+子音」の形になる。
angel(天使)【éin(d)ʒɚl】⇒an・gel / soldier(兵士)【sóulʤə(r)】⇒sol・dier
chocolate(チョコレート)【tʃɔ́(ː)kɚlət】⇒choc・o・late / potato(じゃがいも)【pətéitou】⇒po・ta・to / police(警察)【pəlı́ːs】⇒po・lice / probable(確からしい)【prɑ́bəbl】⇒prob・a・ble
camel(ラクダ)【kǽml】⇒cam・el / general(一般的な)【ʤénɚrl】⇒gen・er・al / woman(女性)【wúmən】⇒wom・an
 ▲ルール5例外その1)アクセント(強勢)のない短母音「a」「i」「u」は、後続の子音と分離する。
ago(昔)【əgóu】⇒a・go / animal(動物)【ǽnəml】⇒an・i・mal / ubiquitous(ありとあらゆる場所に存在する)【ju(ː)bı́kwitəs】⇒u・biq・ui・tous
 ▲ルール5例外その2)短母音の後続の子音が【ʃ】で始まり後続の文字と一連の音節を形成する場合は、「短母音・子音(ʃ)」の間を分離する。
competition(競争)【kɑmpətíʃɚn】⇒com・pe・ti・tion(”tion”は不可分) / magician(魔術師)【məʤíʃn】⇒ma・gi・cian(”cian”は不可分) / precious(貴重な)【préʃəs】⇒pre・cious(”cious”は不可分) / special(特別な)【spéʃl】⇒spe・cial(”cial”は不可分)
famous(有名な)【féiməs】⇒fa・mous / nature(自然)【néiʧə(r)】⇒na・ture
atom(原子)【ǽtəm】⇒at・om / limit(限界)【lı́mit】⇒lim・it / natural(自然な)【nǽʧɚrl】⇒nat・ur・al
butter(バター)【bʌ́tə(r)】⇒but・ter / common(共通の)【kɑ́mən】⇒com・mon / occur(起こる)【əkə́ː(r)】⇒oc・cur
 ▲ルール8例外)語源的組成が明確になるように、2つの母音に挟まれた2つの子音を、前の母音に付属させる場合がある。
builder(大工)【bíldə(r)】⇒build・er / worker(労働者)【wə́ː(r)kə(r)】⇒work・er
angry(怒った)【ǽŋgri】⇒an・gry / castle(城)【kǽsl】⇒cas・tle
 ▲ルール9例外)語源的組成が明確になるように、2つの母音に挟まれた3つ(以上)の子音のいずれも前の母音と結合しない場合がある。
astray(迷って)【əstréi】⇒a・stray(”a”は方向を表わす接頭辞) / destroy(破壊する)【distrɔ́i】⇒de・stroy(”de”は逆方向を表わす接頭辞)
European(ヨーロッパの)【juərəpíːən】⇒Eu・ro・pe・an(”Eu”の”E”は子音扱い) / Italian(イタリアの)【itǽljən】⇒I・tal・ian(”ian”の”i”は子音扱い) / liquid(液体)【lı́kwid】⇒liq・uid(”uid”の”u”は子音扱い)
apple(りんご)【ǽpl】⇒ap・ple / double(二倍の)【dʌ́bl】⇒dou・ble / triple(三倍の)【trípl】⇒tri・ple
happen(起こる)【hǽpn】⇒hap・pen / strengthen(強める)【stréŋ(k)θn】⇒strength・en / weaken(弱める)【wíːkn】⇒weak・en
friendship(友情)【frén(d)ʃip】⇒friend・ship / kindness(親切)【káin(d)nəs】⇒kind・ness
produce(生産する)【prəd(j)úːs】⇒pro・duce / re-create(再生産する)【riːkriéit】⇒re・create
 ▲ルール14例外)発音の都合上、接頭辞と直後の子音字が分離されずに「接頭辞+子音字」の結合をなす場合がある。
produce(生産物)【próud(j)uːs】⇒prod・uce / recreate(気晴らしをする)【rékrieit】⇒rec・re・ate
overproduction(過剰生産)【ɔ́uvə(r)prədʌ́kʃɚn】⇒over・production(・・・構成語の”over”と”production”を個々に音節分けして「o・ver・pro・duc・tion」とはしない)
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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    ●回答者が最初に発した疑問点が解決した場合にはシンプルに
    ♥Got it, guratche!♥・・・発音は「ガリット・グラッツィェ!」意味は「了解(英語)、感謝(イタリア語)」
    と返答して「御挨拶」はそれでおしまい、ということにしましょう。
    ・・・ここは「おともだち」と交信するための仲良し広場ではないので、「白山羊さんと黒山羊さんのお手紙交換」みたいなことを延々繰り返していたのでは質問者・回答者双方にとって時間・労力・忍耐力の空費ですし、それ以外の受講者の皆さんにとっても肝心の「質問」・「回答」の部分が「あいさつのこだま」の陰に隠れてしまったのでは迷惑な話になってしまいます。
    ・・・というわけで、以下の二点の約束事を定めておきますので、皆さんどうぞ御納得の上で質問・回答ください:
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