助動詞”will”による未来時制

    
I’ll think, therefore, I’ll be.
私は思うであろう、ゆえに、私は在るであろう。
 「I’ll」は「I will」の略形・・・「will」は「未来の助動詞」と呼ばれ、「動詞(原形)」の直前に「will」を置くと「未来時制」になる。
 イギリス英語の場合、「will」ではなく「shall」を用いる場合もある・・・が、ことアメリカ英語に関する限り、「未来時制を表わす助動詞と言えば”will”」と単純に割り切ってよい。
 上の例文は、「現在」ではなく「未来」の事態を、一人称単数(=I)を主語として書いたものです。
 では、同じ内容の「未来」の文を、異なる人称(二人称・三人称)で書いた場合、その動詞はどのように活用(=語尾変化)するのでしょうか?
 答えは、上の例文と全く同じく
●人称も活用も一切関係なく、動詞原形の直前に助動詞”will”を付けるだけで「未来時制」になる
というのが英語で「未来」を表わす際の単純統一ルールなのです。
 助動詞「will【wəl、弱形はəl】(ウィル)」は、発音上も表記上も略形の「’ll【l】(ル)」(「主語+’ll」の形)になるのが普通で、略さない「will(ウィル)」の語形&音を用いるケース(I will think, therefore, I will be.)はむしろ少ないぐらいです。
 「l と r の区別ができない」ことで有名な日本人にとって、なかなか厄介な「’ll」の音を正しく発音するには、「<ル>」よりもむしろ「<ウ>」に寄せた音を心掛けることです。一人称の「I’ll」を例に取れば、「アィ<ル>」と子音ではっきり言い切らずに「あい<ぅ>」の曖昧な母音で語尾を濁す感じにすると英語らしい「I’ll」の発音になります。
《♪♪♪》
 「未来」時制の動詞の形を、全ての人称について(どうせ「人称代名詞」以外は全く同じ形になりますが)まとめて書けば、以下の通りです。
<一人称単数(=I:私)> I’ll think, therefore, I’ll be.
<一人称複数(=we:私たち)> We’ll think, therefore, we’ll be.
<二人称単数(=you:あなた)> You’ll think, therefore, you’ll be.
<二人称複数(=you:あなたがた)> You’ll think, therefore, you’ll be.
<三人称単数男性(=he:彼)> He’ll think, therefore, he’ll be.
<三人称単数女性(=she:彼女)> She’ll think, therefore, she’ll be.
<三人称単数中性(=it:それ)> It’ll think, therefore, it’ll be.
<三人称複数(=they:彼ら・彼女ら・それら)> They’ll think, therefore, they’ll be.
私 / 私達 / 君 / 君達 / 彼 / 彼女 / それ / 彼ら(彼女ら・それら)は思考するだろう、だから、存在することだろう。
 「助動詞」と共に用いる場合、「動詞」は必ず「原形」に戻ります・・・三単現の”s / es”のような語尾変化はしません。
 「現在形」では”s / es”へと語尾変化(=活用)していた「三人称単数のhe:彼 / she:彼女 / it:それ」での「do動詞」”thinks”も「be動詞」の”am / are / is”も、「未来時制」ではいずれも「原形」”think” / “be”に戻っている点に注目してください。
 このように、「助動詞(ここではwill)」は、「動詞の原形」に添えて「動詞単体では表わせない各種の意味(上例の場合は”未来の出来事”の意味)を添える」補助的働きをします。
《♪♪♪》
 「(イギリス英語の)未来助動詞としての”shall”」とはやや趣が異なるものとして、「相手の意向を尋ねる勧誘助動詞としての”shall”」を用いた「一人称」の(万国共通)定型句もあります。
 日本人英語初学者が「覚えておくべき”shall”の用法」は、実質的にこの二つの定型句だけです。
●一人称単数勧誘表現「Shall I ~?:~してさしあげましょうか?」
Shall I carry your baggage?
お荷物お持ちしましょうか?
●一人称複数勧誘表現「Shall we ~?:~しませんか?」
Shall we dance?
踊りませんか?
 「Shall we ~?」はまた「Shall I ~?:私が~してさしあげましょうか?」の複数形として「我々が~してさしあげましょうか?」と(眼前の相手の”you”に)提案する場合があります。
Shall we carry your baggage?
我々があなたの荷物をお持ちしましょうか?
 上例の「Shall I ~?」も「Shall we ~?」も
●「助動詞」(shall)を冒頭に出している(=通常の英文と語順が引っ繰り返っている)
●末尾が「.(ピリオド)」ではなく「?(クエスチョンマーク)」で終わっている
という点に注意しましょう・・・これは「疑問文」(詳しくは後述)と呼ばれる構造です。
 上の2つとよく似た(助動詞は違いますが)次の表現もこの際一緒に覚えておきましょう。
●二人称単数・複数の依頼表現「Will you ~?:~してくれますか?」
Will you carry my baggage?
私の荷物、持ってくれませんか?
Will you dance with me?
私と踊ってくれませんか?
 英語の「will(およびshall)」のより詳しい用法(意志未来 / 無意志未来)については(すぐ下の「ひみつ特集記事」内でみっちり解説するほか)「否定文」の項目でも後述します。
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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