「do動詞」と「be動詞」

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 冒頭で紹介した例文(I think, therefore, I am.)は「一人称単数(=I)」を主語にしたものでしたが、同じ内容の文(sentence)を、全ての人称(一人称・二人称・三人称)・単複・性別で書き分けると、以下のようになります。
<一人称単数(=I:私):私は考える、故に、私は在る> I think, therefore, I am.
<一人称複数(=we:私たち):私達は考える、故に、私達は在る> We think, therefore, we are.
<二人称単数(=you:あなた):あなたは考える、故に、あなたは在る> You think, therefore, you are.
<二人称複数(=you:あなたがた):あなたがたは考える、故に、あなたがたは在る> You think, therefore, you are.
<三人称単数男性(=he:彼):彼は考える、故に、彼は在る> He thinks, therefore, he is.
<三人称単数女性(=she:彼女):彼女は考える、故に、彼女は在る> She thinks, therefore, she is.
<三人称単数中性(=it:それ):それは考える、故に、それは在る> It thinks, therefore, it is.
<三人称複数(=they:彼ら・彼女ら・それら):彼らは考える、故に、彼らは在る> They think, therefore, they are.
 人称ごとに八通りの主語(subject)「I / we / you(単数) / you(複数) / he / she / it / they」の違いがある以外に、動詞(verb)の形態が「think / thinks」・「am / are / is」と微妙に変化しているのに気付いたでしょうか?
 以下、英語の「動詞の形態変化」にはどのような規則性があるか、考察してみることにしましょう。
 まず最初に、動詞「think / thinks」の変化の規則性について調べてみると、次のことに気付きます。
●「thinks」のように末尾に”s”が付くのは、主語(subject)が「he(彼) / she(彼女) / it(それ)」の場合のみ
●上記以外の人称では、動詞の形は全て「think」である
 つまり、動詞「think」に関しては、三人称単数(he:彼 / she:彼女 / it:それ)の場合のみ「末尾に”s”が付く」が、それ以外の場合は全て「原形(=辞書に掲載されている見出語のまま)」で使う、ということになります。
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 次に、動詞「am / are / is」の変化について調べると、先ほどの「think / thinks」のように単純ではない点に気付かされます。
 複数形については、一人称(we:私たち) / 二人称(you:あなたがた) / 三人称(they:彼ら・彼女ら・それら)共に全て「are」ですが、単数形に関しては、「一人称(I:私)=am」 / 「二人称(you:あなた)=are」 / 「三人称男性(he:彼)・女性(she:彼女)・中性(it:それ)=is」といった具合で、人称ごとに全く別の形になっています。
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 動詞の原形(=辞書の見出語の形)に関して言えば、「think / thinks」の場合は「末尾に”s”のない形のthink」(=三人称単数以外で用いる形)が「原形」でした。
 では「am / are / is」の場合は一体どれが「原形」なのでしょうか?・・・実は、「どれも原形ではない」のです! 「原形はbe」であって、「am / are / is」はいずれも「人称に応じて変化した形」なのでした。
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 動詞の「原形とは異なる語尾変化」を、「活用(conjugation)」と呼びます。
 「動詞の活用(conjugation)」と「名詞・代名詞の屈折(declension)」を一括して「語尾変化(inflexion, inflection)」と総称することもあります。
 「think / thinks」は「三人称単数(he:彼 / she:彼女 / it:それ)」以外は全て動詞原形の「think」だったのに、「am / are / is」の方は動詞原形では用いずに人称ごとに全部別々の活用形になっていて、何ともややこしいと感じたかもしれません・・・が、英語の動詞の場合、このややこしさは「be」の場合だけです。
 結局「動詞の活用形」(現在形)は、次の二系統に整理できることになります。
■「非be動詞」の活用(現在形)
●三人称単数以外は原形のまま用いる
●三人称単数なら末尾に”s”(または”es”)を付ける
 このように「三人称・単数・現在」の語尾に”s / es”が付く活用パターンを、俗に「三単現の”s”」と呼びます。
■「be動詞」の活用(現在形)
●一人称単数=am / 一人称複数=are
●二人称(単数・複数ともに)=are
●三人称単数=is / 三人称複数=are
 「be動詞」の現在形は「原形」では用いません(・・・後述する「助動詞」と併用されて「疑問文・否定文」を形成する場合のみ「原形」に戻ります)
 この「be」の活用の複雑性ゆえに(それ以外の理由もありますが)、英文法の世界で「動詞(verb)」を取り扱う際には、「be動詞」と「それ以外の動詞」に二分化して捉えると何かと便利です。
 「be動詞」以外の動詞の呼び名としては、「be動詞以外の動詞」とか「非be動詞」というのではまどろっこしいので、以後、本講座では「do動詞」という呼称を用います。
 「do動詞」とは「do」という動詞だけを指すものではなくて、「be動詞以外の全ての動詞」の総称だと思ってください。
 とにもかくにも(21世紀初頭現在の)英語では
●「三人称単数(現在形)=”三単現”」では「do動詞原形の末尾に”s / es”を付ける」
●be動詞の場合、人称・単複(I / we / you(単数)&you(複数) / he・she・it / they)ごとに別々の活用をする
というのが(本当は「非論理的で無駄な過去の遺物」なのですが)約束事なので、以下、その「三単現の”s / es”」の付け方の作法について概説しておきましょう。
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●シュオッチ+”es”
末尾が「s」 / 「sh」 / 「ch」 / 「o」 / 「tch」で終わる動詞は”es”を付ける。
miss+es=misses:外す / wash+es=washes:洗う / teach+es=teaches:教える / go+es=goes:行く / catch+es=catches:捕まえる
●コワイはイes(子音+y=i+es)
末尾が「子音+y」で終わる動詞は、”y”を”i”に変えて”es”を付ける。
“study:学習する=studies”
末尾が「y」でも直前が母音の動詞はそのまま”s”を付ける。
“play:遊ぶ=plays”・・・”plaies”にはしない
●ハブはhas
動詞「have:持つ」の三人称単数(現在形)には「has」を使う(・・・”haves”にはしない)
 特殊な定型句として”the haves and the have-nots:持てる者と持たざる者”という表現の中で”haves”という形が使われることはありますが、これは「動詞+s / es」の活用形ではなく、名詞の複数形(後述)です。
●その他は+”s”
上記以外の動詞の末尾には”s”を付ける。
 上に列挙した個別的ルールではわかりづらいかもしれないので、「三単現の”s”・”es”」を付ける際のルールを「動詞末尾のアルファベット別」に(特集記事の中で)並べてみることにしましょう。
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●クプフツは[s]
語尾の発音が[k] / [p] / [f] / [t]の場合の”s / es”の発音は清音の[s(ス)]
think⇒thinks(考える:スィンクス) / stop⇒stops(止まる:スタップス) / laugh⇒laughs(笑う:ラフス) / start⇒starts(始まる:スターツ)
 [t]+[s]の音は合体して「ツ」音になります。それ以外の[k][p][f]+[s]の音は素直に「クス」「プス」「フス」です。
●スズチュズは[iz]
語尾の発音が[s] / [z] / [tʃ] / [ʃ] / [ʒ] / [dʒ]の場合の”s / es”の発音は濁音の[iz(ィズ)]
erase⇒erases(消す:ィレィスィズ) / sneeze⇒sneezes(くしゃみする:スニーズィズ) / reach⇒reaches(届く:リーチィズ) / trash⇒trashes(ゴミ箱に捨てる:トラッシュィズ) / clothe⇒clothes(服を着る:クロゥズィズ) / dodge⇒dodges(身をかわす:ダッジィズ)
●その他は[z]
上記以外の”s / es”の発音は濁音の[z(ズ)]。
 ・・・以上が、「動詞」の「現在形」での語尾変化(=活用)のすべてです。
 ・・・次は、「動詞」が「未来時制」で使われる場合について、詳しく見てみましょう。

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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