「動詞 / 助動詞」が「句 / 節」の内容を代表する表現

    
 文章内で既出の「動詞(V)」は、後続部では繰り返さずに「代動詞(pro-verb)の”do”」または「助動詞(auxiliary verb)」で置き換えるのが英語の鉄則です。
「代動詞”do”」が単独で用いられる場合
While pet cats often meow, feral ones rarely 【do】.
飼い猫はよくニャ~ニャ~鳴くが、野良猫は滅多に鳴かない。
While pet cats often meow, feral ones rarely 【do】⇒[meow].
 上の英文の代動詞”do”は、外形上もその内包する意味の上でも「目的語を取らない(SV構文の)」例ですが、次の英文の代動詞”do”は、外形上は目的語を取らないものの、その内包する意味としてはきちんと目的語を取っています。
Boys play sports much more than girls 【do】.
男の子は女の子よりずっとたくさんスポーツをする。
Boys play sports much more than girls 【do】⇒[play sports].
 上例では代動詞”do”が「動詞(V)+目的語(O)」の代用として用いられていますが、次例の代動詞”do”は「動詞(V)+補語(C)」の代用となっています。
Unhappy people get angry much oftener than happy ones 【do】.
不幸な人々は幸福な人々に比べて遙かに多く怒る。
Unhappy people get angry much oftener than happy ones 【do】⇒[get angry].
 代動詞”do”には、それ自体の中に「目的語(O)」を内包するのみならず、「do+目的語(O)」の形で用いられる用法も(出現例は少ないものの)あります。
「代動詞”do”+目的語」の構文
Humans crossbred cats much less than they 【did】 dogs.
人類による猫の異種交配は、犬のそれに比べるとはるかにわずかしか行なわれなかった。
Humans crossbred cats much less than they 【did】⇒[crossbred] dogs.
 ”代動詞”として用いられている”do”が「目的語」を取る場合には、「~をする」の意味の”本動詞”と錯覚しやすいので要注意です。
He makes a point of writing a diary every day, just as he 【does】 brushing his teeth.
彼は、歯磨きを日課とするのとまったく同じように毎日日記をつけるのを日課としている。
 「make a point of ~ing」は「~するのを習慣にする」の意味の定型句で、「make it a rule to ~」に同じ。
He makes a point of writing a diary every day, just as he 【does】⇒[makes a point of] brushing his teeth.
 上の英文に於ける【does】は”代動詞”として[makes a point of]の意味を表わし、直後の「brushing his teeth」を目的語として取る構造です ― 即ち
●does(=makes a point of) brushing his teeth:歯磨きを日課とする
と解釈するのが正しいのですが、”does”を”本動詞”と錯覚すると
(×)●(V)does (O)<brushing his teeth>:<歯磨き>をする
という誤訳に陥ります。
 「代動詞”do”」の場合は「自らの中に既出動詞+αの意味を内包する」形になりますが、「助動詞」の場合は「自らの直後に本来存在した本動詞の意味を反映する」形になります。
「助動詞」 が単独で「句 / 節」の内容を代表する構文
When a great earthquake hits, many a man can’t behave as a man 【should】.
大地震が襲ってきた時、大抵の男は「男らしい振る舞い」なんてできない。
 「many a man:大勢の男」は、意味上は”複数”だが、形態上&文法上は”単数”扱い。
When a great earthquake hits, many a man can’t behave as a man 【should】 [behave].
 元来「should behave」だったものを、助動詞【should】で 打ち切ってしまう形態は、「代動詞(pro-verb)」の一種と見ることもできますし、「代不定詞(pro-infinitive)」(の原形不定詞版)と捉えることも可能です。
 ”助動詞止め”で終わる(代動詞or代不定詞の)構文が「目的語」を取る場合もあります ― その場合
●「助動詞+do+目的語」
のように「代動詞”do”」を伴う形態を取ることもあれば
●「助動詞+目的語」
の形で「助動詞が目的語に直結」することもあります。
「助動詞+do+目的語」 / 「助動詞+目的語」の構文
Japanese people in those days feared, hated and persecuted hidden Christians, just as in our society we 【would do】 escaped criminals.
 【would do】の部分は、[do]を省いて【would】だけの形にしても通じます。
(♪)⇒Japanese people in those days feared, hated and persecuted hidden Christians, just as in our society we 【would】 escaped criminals.
当時の日本人は、隠れキリシタンのことを恐れ、憎み、そして迫害した。それはちょうど現代社会で我々が逃亡犯を恐れ、憎み、追い詰めるのと同じように。
Japanese people in those days feared, hated and persecuted hidden Christians, just as in our society we 【would [do]】⇒[would fear, hate and persecute] escaped criminals.
【How dare】 you say such a thing!
よくもまぁそんなことが言えたもんだな!
 助動詞【dare】は「敢えて・大胆にも・ズケズケと・厚かましく」の意味を表わしますが、【How dare you ~?!】の形になると「いったいどうしたらお前はぬけぬけと~などということができるのだ?!」⇒「普通の神経の持ち主なら~なんてフザけたマネはできないはずだろう!」という「”疑問文”の形を借りた”憤慨”」の表現になります。
 【dare】は助動詞なので、【How dare you ~?!】の「~」には本来なら「動詞原形」が続くわけですが、次のような思いっきりハショった省略形で用いられる場合も多い表現です。
(♪)⇒How dare you!
お前、なんてことを!
(♪)⇒How dare!
ヌケヌケとまぁ!
    

コメント (1件)

  1. 之人冗悟
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    一般の掲示板では、自分の質問に誰かが何かコメントを付けるたび、それなりのレスポンスを返すのが「作法」ということになっています・・・が、この「コメント道場」では
    ●回答者が最初に発した疑問点が解決した場合にはシンプルに
    ♥Got it, guratche!♥・・・発音は「ガリット・グラッツィェ!」意味は「了解(英語)、感謝(イタリア語)」
    と返答して「御挨拶」はそれでおしまい、ということにしましょう。
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    ・・・というわけで、以下の二点の約束事を定めておきますので、皆さんどうぞ御納得の上で質問・回答ください:

    ●質問者は、納得できた時点で「Got it, guratche!」と返信すること●
    ◆回答者は、質問者から自分への直接のお礼のコメントがなくても、悪く思わないこと◆

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